ソラリスの陽のもとに・・・

 熱狂的なファンというわけでもないし作品もひとつしか読んだことないのだけど、どこかのニュースサイトでポーランドのSF作家スタニスワフ・レムが亡くなったそうです。


 学生のときに読んだ『ソラリスの陽のもとに』はかなり衝撃的な作品で、今でも結構印象に残ってる。ストーリーはソラリスという惑星を舞台にした話で、心理学なんかに関連してくるみたいだけど、難しいことはよくわかんねっすv。ソラリスはほぼ全体を広大な海に覆われていて、その海はソラリスに近づいた者の心の奥底に眠る記憶を実体化してしまう。すでにソラリスの調査に訪れていた調査団に起こるこの不可解な現象を調べるために主人公が派遣されてくるのだけど、主人公の目の前にも自殺したはずの妻が現れる。しかし、この目の前の女が実際に存在した妻のクローンではなく、主人公の記憶から創り出された妻で・・・と言う話だった記憶が心の奥底に・・・。まったく明るい話ではないのだけど、人の心理に対して、この惑星が無慈悲に襲い掛かるという描写がこの作品の独特の世界観を創り出していて、その雰囲気がとても面白いのかなと思います。


 ハヤカワ文庫から出ている文庫では『ソラリスの陽のもとに』というタイトルだけど、原題は『Solaris』で忠実に訳すと「ソラリス」とか、せめて「惑星ソラリス」なのだけど、ハヤカワ文庫のこのタイトルの方が雰囲気があって、個人的にはこっちの方がいいかなと。



まあ一応追悼の意をこめてということで。リンクの表紙の絵が出ないけど・・・。